トカマクとは

磁場で高温プラズマを保つ装置。ドーナツ形の意味と、ほかの閉じ込め方式との違いを学びます。

TOKAMAK

熱い粒子を壁から離す

トカマクは、輪の形をした空間に高温プラズマを作り、磁場を使って閉じ込める装置です。真空容器から空気や不純物を取り除いて燃料を入れ、加熱します。電荷を持つ粒子は磁場の影響を受けて動くため、中心の高温プラズマを壁から離して保つことができます。磁場は固体の壁のような完全な仕切りではなく、逃げる熱や粒子の制御も必要です。

二つの向きの磁場を組み合わせる

輪に沿う磁場だけでは、粒子を十分に閉じ込められません。トカマクでは外側のコイルが作る磁場と、プラズマに流れる電流が作る磁場などを組み合わせ、ねじれた磁力線を作ります。輪になった通路をぐるりと回りながら、その断面の周りも回る線をイメージするとよいでしょう。

プラズマ電流は初期の加熱にも役立ちます。さらに高温にするためには、粒子ビームや電磁波などによる追加加熱を使います。プラズマの位置や形、揺らぎを測り、コイルや加熱を調整する制御技術も欠かせません。

似た装置との違い

ステラレーターやヘリカルと呼ばれる方式も、磁場で輪状のプラズマを閉じ込めます。基本的な違いは、閉じ込めに必要なねじれた磁場を主に外部コイルで作ることです。トカマクのように大きなプラズマ電流を閉じ込めの基本条件としないため、長時間運転に向く特徴がありますが、コイルの形や製作には独自の難しさがあります。

一方、レーザーを使う代表的な慣性閉じ込めでは、小さな燃料を急速に圧縮・加熱します。トカマクと同じ装置ではありません。どの方式にも研究課題があり、写真の形や一つの記録だけで優劣は決まりません。

超伝導は「電力ゼロ」ではない

ITERやJT-60SAでは超伝導コイルを使います。超伝導は大きな電流を電気抵抗による損失を抑えて流すために役立ちますが、低温を保つ冷凍機やプラズマの加熱などは電力を使います。架空の見学で「磁石の損失が減りました」と聞いたら、「施設全体の消費電力もゼロになった」とは解釈しないことがポイントです。

確認問題

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1. 見学用模型で、輪の外側にあるコイルだけに印を付けました。トカマクの閉じ込めの説明に、何を加える必要がありますか。

正答:A

トカマクは外部コイルとプラズマ電流などの磁場を組み合わせます。

  • A:外部コイルだけでなく、プラズマ電流などが作る磁場を組み合わせます。
  • B:中心の高温プラズマは、壁に直接支えさせるのではなく磁場で保ちます。
  • C:コイルの主な役割は磁場を作ることで、追加加熱とは役割が異なります。
  • D:中性子には電荷がなく、同じ磁場閉じ込めは働きません。
2. 二つの装置がどちらも輪状のプラズマを持っています。トカマクかステラレーターかを確かめる質問はどれですか。

正答:C

見た目だけでなく、磁場を作る仕組みに注目します。

  • A:どちらの方式でも超伝導コイルを使えるため、方式は区別できません。
  • B:断面形状には設計上の違いがあり、それだけでは基本方式を判定できません。
  • C:ねじれた閉じ込め磁場を作る仕組みが、基本的な違いです。
  • D:トカマクでも長時間運転を研究しており、実績の有無だけでは分類できません。
3. 超伝導コイルを使う装置の電力計が動いています。説明として適切なのはどれですか。

正答:D

超伝導の性質と施設全体の電力収支は別の話です。

  • A:施設の電力消費には、コイル以外の多くの設備が含まれます。
  • B:超伝導を保つための低温環境にも、冷凍機などの電力が必要です。
  • C:プラズマの自己加熱は、そのまま補助設備の電源になることではありません。
  • D:超伝導の性質と、施設全体の電力収支を区別しています。

参考資料

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